メンタルクリニックに行くまでではない
と思うが不安が消えない

「異常があるから治そう」と考えるのが医療モデル

「苦しみは『成長が必要だよ』というサイン」と考えるのが心理モデル

「メンタルクリニックにいくまでではないと思うが・・・。」あなたのこの直感は正しいのかもしれません。

メンタルクリニックとカウンセリングオフィスの違いは、医療モデルと心理モデルの違いです。こう言われて何のことが分からないでしょうから、分かりやすく説明いたしましょう。

医療モデルは疾病の原因となる異常を見つけてそこを治療するという考えに基づいています。例えば不安症の場合には脳が機能変調を起こしていると考え精神安定剤(抗不安薬)を投与することが主な治療になります。

一方、心理モデルの場合には、苦しみを何かの異常ととらえるのではなく、人間としての成長のために必要かつ正常な通過点と考えます。苦しみは価値や理想との間にギャップがある時に感じるもので「変化が必要だよ」と知らせるサインなのです。例えば、不安がある場合には、人生で何か大切な価値が脅かされていると考え、その価値を見つけその実現に向けて行動できるように促すことが目的になります。

仮にここに、「人の目が気になる」と訴える若者がいるとしましょう。それは大人になるにつれ社会参加が重要な価値となったからなのかもしれません。このままではいけないと思うからこそ不安になるのです。このとき心理モデルでは、不安を原動力にして、他人への配慮を(過剰にも過小にもならず)適正にできるように自己成長を促すということになるでしょう。

現代社会は強い感情反応を忌避する傾向がありますから、それを異常ととらえてしまい、「消さないといけない」という衝動に駆られてしまいます。そしてその感情を体験しないようにさまざまの回避行動を試みたあげく、それが成功しないと、今度は感情体験が一層厄介で深刻な問題(病気)と感じられるようになり、メンタルクリニックに助けを求めることになります。

あまりに強い陰性感情に圧倒されているときには一時的に治療が必要になる場合もあるでしょうが、いずれはその感情と向き合い、その苦しさがサインとして指し示す価値に向かって歩みだすべき時が来ます。そのような人間としての成長を促すのがカウンセリングの役割となります。

あなたの苦しみが成長を促すサインであるなら、行くべきでは病院ではなくカウンセリングオフィス、ということになります。

※苦しみの背後にある「価値」については、以下のPDFファイルをダウンロードして参考にしてください。