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「早起きは三文の得」と言うが、実際に朝のマイナスイオンたっぷりの空気を吸うと、お金では買えないものに触れた気になる。わたしは夜型で、若いころから朝がつらかったが、ACTのおかげで早起きができるようになった。昼夜逆転もこれで治せる。
マイナスイオンを求めて外に出てみた。南東の空の朝焼けがあまりに見事で、思わずシャッターを切った。だが写真にしてみると、そのときの感動は写っていない。人間は主観でものを見る。わたしの目には立ち並ぶ家々や張り巡らされた電線は映っていなかったのだ。
人生の物語もこれと似たところがある。違うのはそれがネガティブだということ。つらい体験をしてきた人は、つらいことだけを拾い集めて自分史とする。もちろんそれは再び起こるかもしれない苦難への対応には必要なのだが、その物語から未来を予測するので、またしてもつらいことだけを拾い集めることになる。
人生の出来事は膨大なネットワークの中で起こっている。悲劇だけを拾って構成された直線的な自分ストーリーは、主観的な創作物あって事実ではない。そのことに気づいたとき、癒しが始まる。
要は今この瞬間のありのままを観る目を養うこと。朝起きの苦手も、そのつらさをありのままで観ることができるようになれば克服できるのだ。新鮮な朝を観るように、自分の「今ここ」を見つめてはどうだろうか。
それにしても、主観的な美を客観的に変換できる写真家の方々の手腕は見事と言うほかない。